七人の侍

七人の侍 [DVD]

七人の侍 [DVD]

サタスマで特集やってて興味が湧いたので見た。
長かった。最初は二時間くらいと思ってたので驚いた。でも全然飽きなかった。
小さい頃一回見てたけどその時は寝てしまってほとんど覚えてなかったのでめちゃ新鮮だった。
というか邦画で五十年も昔にこんな面白い映画が作られてたのを今まで知らなかったのがショック。
なんというか独特のエグさがすごいと思った。
百姓が日頃の恨みを晴らすために捕虜をリンチしたり、馬から落ちた野武士を槍で突きまくるシーンがすごい印象的だった。淡々の重ねられるシーンを見てて、野武士の悲痛な叫びを聞いてると逆に野武士が可哀想になってきた。
豪雨の決戦も地べたを這いずり回って、刀振り回して。カッコイイなんて二の次の生きるためへの執念が伝わってきた。
極めつけは勘兵衛の最後の台詞。
「勝ったのはあの百姓達だ…わし達ではない…。」
意気揚々と田植えをする百姓達をなんともいえない表情で見る生き残った侍。それから墓にカメラが移って終わり。
なんだかなぁって感じのラスト。
ハッピーになった百姓は死んでいった侍達の事を忘れてしまい、残った侍達の事を煙たがっていくんじゃないか。そんな風に感じた。
あえて大団円なハッピーエンドにしないあたりが憎い演出。嫌でも色々考えてしまう。
侍はみんな良かったけど久蔵と菊千代が特に良かった。
久蔵は寡黙で冷徹な感じだったけど、ちらりと見える優しさがなんとも。そして強い強い。役者さんは三枚目なんだけど、人格(役柄)から滲みでるかっこ良さが堪らない。侍の理想形の一つと思う。死ぬなー。
菊千代も死ぬなー。百姓の苦しみが分かる侍。役者さんの活力に満ちた演技が良かった。少し芸人のなすびに似てると思った。
良くない侍は勝四郎。
いや、まぁSAMURAI7よりは良かったけど。ぶっちゃけ百姓娘とにゃんにゃんしただけ。