地獄変  芥川龍之介

うはっ、後味悪い。


要約すると、
宮廷お付の絵師が地獄絵の屏風を描こうとして、屍や鎖に繋いだ弟子達を写生し、地獄の風景を活き活きと描いていった。見たものしか描けないと言う絵師は、最後に殿に牛車に女を入れて焼いて欲しいと頼んだ。殿は承諾したが、絵師を戒めるために実際に焼かれた女はその絵師の娘だった。絵師は素晴らしい屏風を仕上げた次の日自殺した。巷では絵師を非難する声しかなかったが、絵師の屏風を見たものはその出来に感嘆し、悪く言うものはなかった。



ひたすら第三者視点で語られるこのお話。表面だけさらっと読むと酷く荒唐無稽な感じがした。文章を読み解く。というよりは登場人物の心情や行動から何かを汲み取る作業が面白いんだと思う。


で、読み取れたことは
猿の良秀は絵師の良秀の良心の描写。と、良秀の娘と夜揉めていたのは最後出てきた侍。最初は良秀かと思ったけど侍のような気がす。


うあ、読み取れてねー


猿の良秀が絵師の良秀の良心だと思ったのは、燃え盛る牛車と娘の場面。
最初、良秀は喜怒哀楽入り混じった表情でその様子を見ていた。そのうちに突如現れた猿の良秀が娘を助けるように飛び込む。しかし、すぐに猿の姿は見えなくなる。次に映った良秀は先ほどまでの複雑な表情はなく、どこか恍惚とした表情で焔を眺めていた。
この時、絵師の良秀は親としての情愛を猿にのせて焔の中に捨て去り、絵師として活き材料を貪る者になったんだと思う。この姿に、良秀を懲らしめようとした殿もぐぐぐ…。


侍は、良秀の娘が夜に誰かに襲われてる時にの場面でそう思った。
最初は流れ的に良秀かと思ったけど、牛車が燃え盛る場面で狼狽する侍の姿と、夜に筆者(語りの視点の人)に知らせに来たのが猿の良秀だったことから、そう思った。猿良秀を絵師良秀の良心(生き霊?)とするとその方がしっくりくるなーと思った。



てか、正味、よく分かってないです。


表面だけ読んでもハァ?なので、色々考える。
それが文学の良い所だと思う。


アァ…ムジョウ…