砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
13歳としては現実的すぎる、これから役立つであろう実弾しか求めない少女。虐待という現実から身を守るための砂糖菓子の弾丸を打ち続ける少女。
対比的な二人の少女の歪で短い友情のお話。
冒頭からバッドエンドまっしぐら!
な感じなので見ている側としてはミスリードであってくれーと祈りつつ見てましたが特に救いもない悲しいお話でした。ふぁッ区!
悲しいと言っても二人の少女が少しずつ近づいていく様だとか野球少年が変態に目覚めていく過程だとか見ていて心温まるシーンもたっぷり。
わりと笑えるシーンも多く、見ていてニヤニヤできます。
山田*1の達観状態ににやにや。藻屑*2のボクっこぶりにニヤニヤ*3。ニートである兄やぷすぅっとした担任の後半のおおっと思わせる変貌ぶりにニヤニヤ。
短い文量の中でも魅力的なキャラクターの層が厚いなーと感じました。作者の引き出しが厚い。
また、お話の途中に何度も、うっ…ここは岐路だろ…と思わせる分かりやすいポイントがあるのでノベルゲームにぴったりだなーと思いました。というか本筋が悲しいのでどうしてもハッピーな最後が欲しくなりました。
砂糖菓子を撃ちつづける藻屑。撃ち続けるしかなかった藻屑。
海辺で虐待の痣を人魚として生きるためにできた汚染だと山田に言うシーン。とてつもなく切ないけれどどこかああ、そうなんだ、と山田と同じ感想になってしまい、儚く、それ故に綺麗だなと感じてしまうあたり、やべー砂糖菓子がピシピシきてる!きてるよ!
その後に少し傷ついたような藻屑の記述にまたやられるという…。
滅茶苦茶読みやすいのでオススメ。
猟奇的なシーンもあるので変態さんにもオススメ。
咲のボクっこ藻屑がかぶってしまったのは内緒。
ストックホルム症候群
ストックホルム症候群 - Wikipedia
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 100回
- この商品を含むブログ (140件) を見る